パワハラ防止法が来年2022年4月より
中小企業も対象に義務化されるのを、ご存知ですか?
そこで今日はパワハラ防止法の対応ポイントについて
考えてみたいと思います。
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増え続けるハラスメントの現状
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厚労省の調査によると
総合労働相談コーナーに寄せられる
「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は
約8万8千件と8年連続でTOP。
ここ10年間で2倍以上になり、
相談全体の約25%を占めているそうです。
※厚労省
「個別労働紛争解決制度の施行状況」より
相談されなかった事案も考えると
かなりの数のハラスメントが存在すると
推測できますね。
もしも、パワハラの実態を知りながら
放置していたとしたら、
安全配慮義務を怠った不法行為責任に
問われる可能性も出てきます。
やはり、対策や体制の整備は
中小企業の急務と言えそうです。
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中小企業が対応すべき4つのポイント
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厚生労働大臣からは
以下の4つの指針が定められています。
1.事業主の方針の明確化及び
その周知・啓発
2.相談に応じ、適切に対応するための
必要な体制の整備
3.職場におけるハラスメントへの
事後の迅速かつ適切な対応
4.併せて講ずべき措置
(プライバシー保護、不利益取扱の禁止等)
まずは事業主として、
方針を明確にして労働者へ周知すること。
そして研修等で教育を行い、
パワハラへの意識向上を図ることが
防止への第一歩と言えるでしょう。
気軽に相談できる窓口を設置することも
重要な対策です。
これはパワハラが生じている場合だけでなく
その恐れのある場合や該当するか微妙な場合も
広く相談に応じる義務があるからです。
メンタルヘルスに関することなど、
専門的なことへの社内対応が難しい場合は
外部の専門家への相談やEAP等の
外部サービスの利用もお勧めいたします。
この4つの指針からも、
ハラスメント被害者へはもちろんのこと、
全ての労働者への配慮が求められている
ことがうかがえます。
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大切な5つ目のポイント
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事業主がすべきことは
安全配慮義務を遵守することです。
そのためにも、前述したことは、
すべて対策しなければなりません。
普段から社内の様子に気を配ることや
ストレスチェックの結果等を参考にし、
専門家と連携を図ることも大切です。
しかし、これは事業主側だけの
問題ではありません。
労働者側もしっかりとハラスメントに
関心を持ち、理解を深め、
自らの行動に気をつける必要があります。
労災認定を受けることになろうものなら
お互いにダメージを負うこととなります。
大切な5つ目のポイント。
それは事業主側と労働者側が協力をし合い、
お互いにとってより良い職場作りを
目指していくことなのではないでしょうか。