コミュニケーションにおける3つの視点

ある会社の上司の事例をもとに、
コミュニケーションの3つの視点について
考えてみたいと思います。

その上司が、ある部下について、
「あいつは、どんくさいやつだ。」
「みんなできるのに、なんであいつはできないんだ。」
「あいつとはできれば関わりたくない。」
と愚痴を言っています。

このような愚痴を私がひたすら聴いて、
愚痴が出尽くした頃、少し沈黙があったのち、
「まぁ、あいつなりに頑張ってはいるんだがなぁ。」
なんて言い出したりします。

このような状態になってから、あいつについて聴くと、
「だいぶ参っているように思いますね。」
「こういうことはできているんだけどな。」
なんて言ったりします。

溜まっていた愚痴を出し尽くして、
愚痴の熱がだんだん冷めてきて、
冷静になってきたようです。

では、どうしましょうか?と聴くと
「自分は、だいぶ高圧的だったかもしれませんね。」
「もう少しわかりやすく言った方がいいですね。」
なんて言ったりします。

話をする過程で考え方が変わったようです。

人は、コミュニケーションをとる上で、主に3つの視点があります。

・わたし(自分視点):自分の意思、主張がある。自分勝手になりがち。
・あなた(あなた視点):思いやりがある。周りに振り回されがち。
・第三者(客観的視点):冷静に判断できる。冷たい印象を与えがち。

今回の上司の事例では、話を聴く間に
“わたし”⇒“あなた”⇒“第三者”と視点が切り替わっています。

もし、視点が切り替わらなければ、
ずっと“わたし”視点のまま、同じような思考を繰り返し、
「自分は高圧的だった」という考えには至っていなかったでしょう。

人にはそれぞれ視点の偏り、いわゆる癖があり、
意識して視点を切り替えなければ、
なかなか考え方も変わらない場合が多いように思います。

考え方を変えるには、視点を切り替えることが大事です。

海外に行って人生観が変わった、ということがあります。
それは、その国(の人々)の視点で日本や自分を見て
考え方が変わったということだったりします。

コミュニケーションも同じだと思います。
普段とは別の視点で見たとき、今までとは違う考え方ができ
コミュニケーションが変わります。

もし、よくないコミュニケーションをしたとしても、
そのままにせず、他の視点で考えることによって、
気付きが起こり、考え方が変わる、そして、次に活かす、
これがコミュニケーションを上達させる一つの方法です。

よくないコミュニケーションは変えていきたいものです。
ぜひ、試してみてください。

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