カウンセリング事例のご紹介【人事異動】

今回は「人事異動」をテーマに、
最近カウンセリングにお越しになった方の
メンタル不調の事例をご紹介します。

▼50代男性 管理職 「納得いかなかった人事異動」▼

納得のいかなかった地方への人事異動から約10年。
今年の春に東京への異動辞令が出て、
やっと家族のもとに帰ることができました。

しかし、今回はこの年齢で初めての営業職への異動。
しかもコロナの影響により、異動後、
引継ぎもそこそこに在宅ワークへ移行。

お取引先や見込み客はもちろん、
部署の方々とのコミュニケーションも全然取れていない状態で、
「とりあえずやって」と放り出されたのです。

初めての職種といえども、入社30数年。
私にもプライドがあります。
それなりのポストには就いていますし、
当然、それなりの成果を求められます。

でも正直、何から始めればいいのか、どうすればいいのか・・
気力が失せ、何も覚えられない、考えられない。
いつも何かに追われている感じで眠れなくなりました。

▼40代女性 公務員 「予期せぬ人事異動」▼

はじめは頑張れると思ってました。
組織のトップの部門への異動だったので、
評価された嬉しさもありましたし。

でも、いざ異動してみると、周りは能力の高い方ばかり。
私の部下についてくれた方も、私より優秀でした。

前任者はというと、繁忙期には残業150時間超えは当たり前。
異動後なので初めてのことやできないことも多く、
でも仕事量は膨大で・・・気が遠くなりました。

「いや~、もう毎日に近いくらい電車に飛び込もうか?とか
考えちゃうんだよね~ハハハ(笑)」

この職場ではこんな会話が
日常的にジョークになっています。

体調を崩したことで、プライベートにも悪影響が出て、
休日は一日中、なぜかしら泣いている時もあります。

でも、周りの方も頑張っているんです。
私も頑張らなきゃ。

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メンタル不調を甘くみないで!
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異動をきっかけにメンタル不全を発症することは
よくあるケースです。

上記のケースの場合、ご本人様は
「まだ自分は頑張れる!」と認識されているようですが、
正直申し上げて、心は限界に達しており、
治療が必要な状態です。

休職になってしまうと、
会社としての生産性は下がり、
その分の仕事量が他の社員に割り振られることになります。
次のメンタル不調者を生むかもしれません。

最近では、コロナ第3波によるストレスフルな状況について、
患者様よりお聴きすることも多くなりました。

是非、早め早めのメンタル対策をご準備いただき、
良い形で2020年を締めくくっていただきたい。

「ストレスとのいたちごっこはもうやめて」
「ストレスを甘く見ないで!」

現場を知る私としては、そう願うばかりです。

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