問題を解決するときのコツを、カウンセリングの事例をもとに考えていきます。
コミュニケーションが苦手なAさんは、コミュニケーションを上達させるために
ハウツー本をいろいろ読みました。
そして、いろいろ試してみましたが、なかなかうまくいきませんでした。
また、旦那さんとの仲が悪くなってしまったBさんは、共同生活を少しでも良くしようと、
話し合ってお互い嫌なことをしないようにいくつかルールを決めました。
しかし、嫌なことは減ったのですが、ギクシャクした感じは残ったままでした。
この2つの事例は、問題を“直接的に”“理屈で”解決しようとしています。
コミュニケーションが苦手 ⇒ 上達させる
仲が悪くなってしまった ⇒ ルールを決める
というように。
しかし実際は、問題とその解決方法は、直接的でないことがあります。
また、人間関係や心の問題は、理屈では解決できないことがあります。
Aさんは、昔からダンスに興味がありました。
ダンスを題材にした映画も好きでよく見ていたそうです。
そこで、思い切ってダンスを習うことにしました。
するとどうでしょう。ダンスを通じて知り合いが増え、仲間が増えていきました。
そのうちに、だんだん自分に自信が持てるようになり、
コミュニケーションで悩むことがだいぶ減りました。
Bさんは、家で犬を飼うことにしました。
旦那さんも動物が好きで、もともと飼ってみたいと思っていたそうです。
その結果、今までの夫婦仲が嘘のように良くなったそうです。
子は鎹(かすがい)ならぬ、犬は鎹といったところでしょうか。
このように思わぬことで、問題は解決することがあります。
問題を“直接的に”“理屈で”解決しようとして、なかなかうまくいかない場合、
一度そこから離れて、心に従ってみるのも一つの手です。
(お互い)やりたいことをやってみる。
(お互い)好きにやってみる。
(お互い)嫌ならやめてみる。
ひょんなことから解決するかもしれませんよ。