前号まで、同じような環境でも「悩みやすい人と悩みにくい人」が
いることについて書かせていただきました。
その特徴は、生まれつきで変えられないものではなく、幸いにも
後天的に変えることができます。
しかし、多くの方が対処方法を知らないため、性質が変わらないまま
同じようなところをいつまでもぐるぐると回ってしまうのです。
人の性格は、先天的な部分もありますが、多くは後天的に学習して
作られたものです。
すっと右手を差し出されたら、「あ、握手だな」と思って
ほとんどの人が自然に右手を差し出します。
これは、過去の経験から身体が覚えこんだ反応に過ぎません。
喜怒哀楽にも、同じような面があります。
雨が降って喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいます。
苦境に陥った時に喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいるのです。
それは、過去の経験で身体が覚えた反応として、無意識のうちに
私たちの心に表れます。
楽しいイベントが、雨で台無しになった経験があれば、
「雨が降ってきたな」 → 「嫌だな」・・・のように。
生まれつき、こうした反応をする性格のように思って
しまいがちですが、決してそうではありません。
このような反応を過去に習得した結果として、
同様の反応をするような回路ができてしまっているだけなのです。
この回路は、1970年頃までは変えられないとされていました。
しかし、比較的新しい現在の心理学では、回路自体を変えられる
ことが判明しています。
もしそうだとしたら、何ができると思いますか?
それは、ネガティブな性格を変えられるだけではありません。
実は、ほかにもさまざまな活用方法があるのです。
(次号に続く・・・)