言葉には、意外に大きな影響力があるように思います。
例えば、ハラスメントという言葉が生まれ、社会に浸透すると、
会社での関わり方に様々な影響を及ぼしました。
ハラスメントが少なくなって良かったという意見もあれば、
過剰に反応し過ぎて、叱りづらくなったという意見もあります。
ハラスメントという言葉が浸透したことにより、
個人や社会の価値観に影響を与えたわけです。
また、うつという言葉があります。
あなたは、Aさんがうつになったという話を聞きました。
どう思いますか?
「本当に?意外!」「そういう側面もある気もした。」
などと思うかもしれません。
いずれにしても、印象に影響を与えています。
本人に会ったわけでもなく、話を聞いたわけでもなく、
自分で会って感じたわけでもないのにも関わらずです。
これは、独り歩きをしたうつという言葉の影響です。
また、足が痺れた子供が「足がサイダーみたいに
シュワシュワになってる。」と言いました。
面白い感性であり、素晴らしい表現力です。
しかし、それが痺れるということだとわかってくると、
足の痺れはすべて、痺れたという言葉に統一されていきます。
足が痺れたと言っても、日によって感じ方が違うかもしれませんし、
人によって感じ方が違うかもしれません。
昨日はシュワシュワだけど、今日はピリピリかもしれません。
しかし、痺れたという言葉に統一することで、
昨日はシュワシュワで、今日はビリビリという違いを
感じられなくっているかもしれません。
我々は、様々のことを言葉で表します。
しかし、言葉によって、人や物事の印象が変わったり、
いろいろなことを一緒くたに統一してしまったり、実は
言葉には、意外に大きな影響力があるのではないでしょうか。
言葉の持つ影響力について、考えてみてはいかがでしょうか。