薬物依存症

074513薬物依存症とは、大麻や麻薬、シンナーなどの薬物をくりかえし使いたい、あるいは使っていないと不快になるため使い続ける、やめようと思ってもやめられないという状態です。こうなると日常生活に支障が出てもやめられない、また薬物を手に入れるためになりふりかまわなくなるといったことが出てきます。
欲しいという欲求が我慢できなくなる精神的依存、クスリがなくなると不快な離脱症状が出る身体的依存があります。また、体がクスリに慣れてくるため、同じ効果を感じるためにクスリの量が増えてしまいます。
一度だけのつもりでも、気がつくと薬物依存症になってしまうことがあります。また一度やめても、また手を出してしまうこともあります。ですから、クスリをやめた後も、二度とやらないという強い気持ちが必要です。

「薬物依存症」とは

■薬物使用をやめたくてもやめられない病気
麻薬や覚せい剤などの薬物を使うと、やめたくてもやめられない状態になることはよく知られています。
病気治療に必要なクスリでも、そのなかには、誤った使い方を続けるうちに、やめたくてもやめられない状態を作り出すクスリもあります。このような、やめたくてもやめられない状態が薬物依存症です。

■「依存」になると理性ではやめられない
やめたいと思うこころがあるのに、やめられない。それはどうしてでしょう。クスリを使っているうちに、そのクスリの作用で脳の一部の働きが変化して、「クスリがどうしても欲しい!」という欲求が抑えきれなくなる為です。この変化による欲求は意志の力で抑えることができないものです。「私なら、僕なら、やめようと思えばいつでもやめられるから大丈夫」という考えは、危険です。

■依存性の薬物
麻薬や覚せい剤だけでなく、こうした欲求を作り出しやすいクスリをも含めて、依存性のある薬物といいます。依存性のある薬物のうち、クスリとしての価値よりもリスクのほうが高いと判断された薬物は、法律によって所持・売買・譲渡が禁止され、使うこと自体も禁止されています。こうした薬物を使うことは、1回でも、違法となります。

■「一度だけなら大丈夫」ではない
薬物を始めるきっかけの多くは、「一度だけ使ってみたい」という好奇心によるものがほとんどです。多くの場合、初回ではそれほどの効果が得られないため、「たいしたことではない」と安心して、薬物への警戒心が薄くなります。
この最初の1回は、何気ない1回ですが、薬物への警戒心という壁をこえる重大な1回なのです。
この1回を経験すると、仲間が集まったときなど、機会があれば薬物を使う「機会的使用」が始まり、やがて知らず知らずに薬物依存症になり、その結果として、習慣的に使用する「常用」に移行します。
なかには「やせられる薬」だからと勧められて、危険な薬物だとは知らずに手を出してしまう人もいます。

■依存は消えない、しかし、「回復」はできる
「薬物がどうしても欲しい!」という欲求が抑えきれなくなった脳は、半永久的に元の状態には戻らないといわれています。いくら本人の決意が固くても、ちょっとしたきっかけで薬物への強い欲求につき動かされ、また薬物を使ってしまう人が多いのです。
しかし、適切な指導を受け続けて、薬物を使わない生活を繰り返せば、社会人として何の問題もない生活をおくることができます。それを「回復」といいます。簡単なことではありませんが、「回復」は可能です。

薬物依存症のサイン・症状

■薬物を使いたいという強い欲求がある
常用者は薬物の効果が切れてくると、使いたいという強烈な欲求がわいてきます。ある期間、あるいは、数ヶ月やめていても、何かのきっかけで、使いたいという強烈な欲求がわいてきます。

その結果、
薬物を入手するために、いくつもの病院、薬局を回る
薬物を入手するためなら、万引きや強盗、売春などの犯罪もおかす
など、薬物を何とか手に入れようとします。

■自己制御の困難
使いたくない、今回はここでストップしたい、この位の量で終わりたいと思っても、コントロールが効かなくなります。
薬物の使用をやめたり、量を減らしたりすると、離脱症状(禁断症状)が出ることがある
不眠、過眠、抑うつ、不安、焦燥、幻覚、筋肉や関節の痛み、妄想、けいれん発作、食欲亢進、脱力、嘔吐、下痢、異常な発汗。
ほとんどの場合、薬物に「耐性」ができ、使用量が増える
薬物の作用に体がなれてしまい、快感を得るために必要な量が増えていき、使用量がどんどん増えます。

■薬物使用中心の生活
一日の大部分を、薬物の入手、使用、回復のために使うようになります。結果的に、社会的、職業的、娯楽的活動が放棄されるか、軽んじられてしまいます。

薬物依存症の治療法

薬物依存症を解消する特効薬はありません。
しかし、適切な指導を受け続けて、薬物を使わない生活を繰り返せば、社会人として何の問題もない生活をおくることができます。それを「回復」といいます。

■「回復」への取り組み
外来治療が基本です。一時的に薬物が手に入らない環境をつくる必要がある場合には、入院も必要になります。
「治す」というよりは、薬物依存症を糖尿病や高血圧症のような慢性疾患としてとらえて、薬物を使わない生活を続けるという自己コントロールの継続が目標となります。そのためには、それまでの薬物使用に関係していた状況(人間関係、場所、お金、感情、ストレスなど)を整理・清算し、薬物を使わない生活を持続させることが必要です。
しかし、一人での決意はほとんど持続しません。持続させるためには、これらの整理・清算を認知行動療法を用いて体系的に習得させてくれる医療施設や相談所に通い続けるか、ダルク( Drug Addiction Rehabilitation Center)やNA(Narcotic Anonymous)などの自助活動に参加し続けながら、薬物を使わない生活と新しい仲間をつくることが大切です。

是非、読んで頂きたい小冊子
「ご家族の薬物問題でお困りの方へ」(厚生労働省)
家族に限らず、当事者、専門職などあらゆる人に読んで頂きたい小冊子です。下記からダウンロードできます。

「ご家族の薬物問題でお困りの方へ」(厚生労働省)[PDF 1.8MB] PDF

(出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」より)